「姉妹隷記 −終わりと始まり−」

- mini novel -

互いの身体を清め終えたわたしたちは、最後に洗浄の確認をすることを命じられました。

確認。
即ち、互いの舌で、従いの身体を舐め合うことです。

「まあ、ここまで舐めろっていうのは酷だからな」
一人の男はそう言うと、わたしたちの後穴に男根を模した玩具を突き入れました。
排泄穴を埋めたそれは、不規則に震え、うねり、消え去ろうとしていた凌辱の余韻を繋ぎとめます。


互いの肌を舐め終えたわたしたちは、最後にそれぞれの股間に舌を宛がうように命じられました。

 

凌辱者達の前で、わたしとあやねちゃんは、お尻を玩具に弄ばれたまま、互いの媚唇を強制的に視界に見せつけられました。

あやねちゃんもまた、ここに監禁されてから処女を奪われたそうです。

その後、いったい幾人の男の人から辱めを受けたのでしょう。
いったい何度犯されたのでしょう。

あやねちゃんを辱めた男の人の数が三桁を下ることはないでしょう。
あやねちゃんを犯した回数が四桁を下ることはないでしょう。

ですが、あやねちゃんのそこは、その残忍な事実を感じさせないものでした。

形よく整った媚唇と、可憐な桜色の媚肉は、まだ男を知らない処女の蕾のようです。
先程まで繰り返された凌辱の痕跡すらそこにはありませんでした。

幼いころからの修行で得た超人的な回復力。
それは希望であると同時に絶望でもあります。

この回復力ならば、首と両手足にある枷を外すことさえできれば、わたし達は、すぐにでもここにいる全ての男の人達に報復の拳を振るい、自由を手にすることができるでしょう。
ですが、それは同時に、わたしたちが常人では耐えきれない凌辱を受けきってしまうことでもあります。

心も身体も正常なまま、性奴隷として調教されていく。
その恐怖が一瞬だけ頭をかすめました。

その次の瞬間。

「………………かすみ」

 

あやねちゃんが全てを振り払うように、わたしの名前を呟くと、その舌を使い始めました。
わたしもつられるように同じ行為をあやねちゃんに重ねます。

性唇を舐られる。

それは男の人たちに何度もされてきたことです。
それはこれから凌辱が始まるという合図であり、わたしの身体は防御のために粘液を出し始めます。

そこには、悦びなどはありません。
単なる条件反射です。

ですが。

「!!」

あやねちゃんの舌は、わたしに未知の感覚をもたらしました。
甘く、蕩けるような感覚が、自分から求めずにはいられない感覚が、あやちゃんの舌に刺激された身体の奥から湧きあがってきます。

そこに、お尻に入れられた淫具の振動が重なります。
全ての境界線が一秒ごとに曖昧になり、まるで、この感覚をもたらしているのが、その卑機であるかのような錯覚すら起こし始めます。

身体の奥の熱が、液体の形でこぼれ始めました。
あやねちゃんも同様です。
互いの液体を舐め合う事で、互いの液体をさらに促し、そしてそこに、未知の感覚が加わります。

危険。
理性がそう警告を繰り返します。

なんとかとどまろうとするわたしに対して、あやねちゃんは舌を使い続けます。

肌が重なります。
鼓動が重なります。

男の人とは全く違う同性同士の……いえ、姉妹でしか感じる事のできない感覚が全てを加速させます。

その加速を、必死になって制し続けるわたしの耳に、男の人の声が飛び込んできました。

「お、もうこんな時間か。そこの窓、開けろよ」

 

朝の光。
壁の高い部分に設けられた鉄格子付の窓から朝日がわたしたちを照らしました。

「んじゃ、とりあえずこの辺で終わりにしてやるか」
その言葉があやねちゃんの動きを止め、わたしにわずかながらも休息をもたらしました。

凌辱の終わりと、朝の光。

それはまるで、明けない夜は無い、と世界が語りかけてきたような気がしました。

わたしは気付いていませんでした。
単なる、定期的に訪れる自然現象に、なにかしらの意味を見出そうとする程に、自分の心が追い込まれていることに。

 

 

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2011/08/07 紅茶男