「かすみ隷記 -着替え-」

- novel -

最後の雫を拭き終えたところで、タオルは奪われ、わたしの次の陵辱準備が始まりました。
すれ違う男の人達の視線を浴びながら裸のまま連れて行かれた部屋には数え切れないほどの服が並んでいます。

わたしが着、そして脱がされるための服です。
ここにある衣服はどれも、肌を守るという機能を持っていません。

目的はただ一つ。
男人たちに新たな興奮を与え、そしてわたしに新たな被虐を生ませるためです。

「楽しみだろ、かすみちゃん。今日は、どんな服を着て、どんな男に、どう犯されるのか」
男の人の言葉に、わたしは視線を逸らすことしかできません。
「かすみちゃん、大人気なんだよ。買った客全員が、また犯りたい、早く回してくれ、てね」
もう一人の男が下腹部を撫でます。
「そうだよなぁ、美形で、口だって上手で、胸だってこんなにやらしくて、しかも突っ込んでも最高なんだからさ」
「ああ、みんな言っているよな。かすみちゃんは、天性の性奴隷だって」

聞き流さなければならない言葉であることがわかていながらも、それらはわたしも耳に残ってしまいます。
顔を背け、視線を合わさないというささやかな抵抗。
それがいまのわたしにできる唯一のことです。

「さて、今日もお仕事開始だね」
男が衣装を選び始めました。

昼の時間。
わたしは、ここにいる男の人たちとは別の人たちに買われます。
全てを知った上でのことなのか、それともなにも知らないのか。
それを聞き出すことなどできません。

わたしには「仕事」の時、一つだけ許されることができます。
「犯さないでください」
そう相手に懇願する自由が。

ですが、これまで出会った誰一人として、それに応じてくれる人はいませんでした。
いえ、逆にほとんどの人が、わたしの哀願に興奮し、それを楽しむような行為に出ました。

この世界の全ての男の人は、わたしを犯そうとしている。
わたしは、全ての男の人を性獣に変えてしまう。

そんなくだらない考えが、少しずつ形をとり始めています。

それがこの男の人たちの目的であるのならば、わたしはそれに屈したふりをして、機会を伺う道を選びます。
ですが、もしそれがわたしの内なる声であったのならば……

男の人たちの饒舌な口はなにも語ろうとしません。

ただ陵辱だけがわたしへの意思であるかのように繰り返されます。

「さあ、これを着ろよ」
男の人が服を差し出しました。

わたしは黙ったまま、それに袖を通しました。

 

2005/03/07 紅茶男
2007/06/26 novel 追加