「あやね隷記 -衣装遊び:体操服-」

- novel -

私が連れてこられたのは、薄汚れた雑居ビルの三階にある店だった。

そこに一歩踏み入れた私が最初に目にしたのは、階段に列を作る男達の姿だった。
私に気づいた一人の声が、そこにいた全員の視線を一つの方向に向かわせた。

私の身体に。

粘りつくような視線に対して、私は俯くことしかできなかった。
淫欲に溢れた男たちが作り出した絡みつくような空気の中、私は階段を上り「店」へと入った。

そこは、少女の性を扱う店だった。

そしてそこには瞳の部分を黒く塗りつぶされた私の写真が飾られていた。

私が日々受けている凌辱。

それを収めた映像は、巧みに編集され、一つの商品としてこの店に並んでいた。
そして、今日はそれに出演している私が、即売会を行うと予告されていた。

売られるものは、私が身につけている体操服。
ただの布の寄せ集めに高額の値がつけられているのは、それを私が「客」の前で身に着け、そして、彼らの欲望の器官をつかって自慰をする、という「特典」があるためだ。

ここに連れてこられる車の中で、男達にそれを聞かされた私は、無表情を貫くだけだった。
だが。

「おっと、客の前では、そんな顔するなよ」

軽薄に笑うと、一人の男は私から行動を奪う言葉を口にした。

「この仕事、かすみちゃんもやっているんだ。あやねちゃんがそんな愛想ない態度だったら、もう次の仕事はこないだろうな。ま、俺たちはその穴埋めをかすみちゃんにしてもらえばいいだけだけれども」

なにかをしゃべろうとは思わない。
この会場に来た下賤な男たちが誤解するような表情を作るだけ。

そう心の中で何度も繰り返す中、最初の「客」が入ってきた。

………………………………………………

…………………………

十人目の客の性欲がふとももの間に挿し込まれた。

厳密な意味で犯されているわけではない。

だが、この行為は、通常以上に、私の存在が性欲の吐き出し先でしかないことを叩き込む。

歪んだ性欲を満足させる身体。
私の存在はその程度の存在でしかない。

どの男も、同じように私に性欲をぶつけてくる。
挿し入れ、腰を振り、私の両胸を揉みしだき、そして手の中で射精する。

私は自分を汚した男に脱いでいる衣服を渡し、次の男を楽しませる準備をする。

その繰り返しが、私の心に一つの声となり囁きかけてくる。

全ての男にとって、お前は淫欲を処理するための存在でしかない。
いや。 お前という存在が、全ての男の欲望を処理する奴隷でしかない。

それを懸命に振り払う。

自分の心の弱さが作り出した幻覚。
それがわかっているから、いまは耐えられる。

いまは。

そう考えてしまった自分の心に愕然とする。
その「いま」がなくなる日がくるとでも思っているのだろうか、私は。

身体を嬲られながらも、心は折れていない「いま」。 それが、いずれ。

いずれ。

 

-comment-

えらく久々のDOAです。
自分でも、早く続きが作りたいと思っているんだけれども……

 

2008/01/27 紅茶男