「あやね隷記 −欲囲−」

- novel -

奪われた視覚は、他の感覚を鋭敏にさせる。
わたしのように特殊な訓練を受けたものは、特に。

見えない視界の中で、男達の動きがわかる。

胸に欲望をこすりつけている男は、次の挿入を待ちわびている。
その後ろにいる二人の男は、わたしの身体に近づけないことに苛立っている。
順番が回ってくれば、狂ったようにわたしを犯すだろう。

自分がこれからどのような陵辱を受けるのか。
それを考えることは苦痛でしかない。

だが、その苦痛にすがりつかなければ、一瞬でわたしは崩壊するだろう。

秘所も、肛門も男のもので貫かれている。
口で一人を満足させると、すぐ次のものが突き入れられる。

胸も男達にから自由になることはない。
もみしだかれる。
しゃぶられる。
肉棒をおしつけられる。
そして、谷間にはさむことによる奉仕。

手は常に下衆のものを握らされる。

わたしの身体には感覚が宿っている。
そしてその身体は、心と結びついている。

性的陵辱という行為は、幾倍にもなって心に襲い掛かる。
押し潰されそうなそれはいつ終わるとも知れず、そして終わったとしても、その先には新たな被虐が待っている。

狂う。
それが一つの選択肢として現れる。
だが、それを懸命に払いのける。

すぐに次の選択肢が現れる。
いまの自分を肯定し、快感に溺れろ、と。

男達に犯され、その獣欲を満足させる性奴隷。
それを受け入れればいい、と。

それにも抗う。

男達の欲望が、射精の形でわたしに降り注いだ。

数え切れないほど男達に犯されたわたしの身体が、徐々に意思の制御を離れていく。
牝として。
性欲を受けるだけの存在へとわたしの身体は変わりつつある。

まだ、それは意思の力で引き戻すことができる。
しかし、終わりなく続けられるこの行為に、どこまで意思を持ち続けることができるのだろう。

そして身体が堕ちた時、わたしの心はそれに逆らうことができるのだろうか。

膣内と尻内で射精が始まった。
熱く爆ぜる感覚に、わたしのなにかが反応する。

でも、抗える。

抗うことができる。

 

……………いまは、まだ。

 

2005/08/21 紅茶男
2007/06/26 novel 追加